日々を彩る小さな相棒。hibino craftが創る、手染めヌメ革メガネケースの物語

こんにちは、hibino craft(ヒビノクラフト)です。

僕がレザークラフトを始めたきっかけは、キャンプです。 自然の中で過ごす時間は、僕に多くのインスピレーションを与えてくれました。 風雨に晒され、焚き火の火の粉を浴びて、使い込まれるほどに味が出る革製品は、まさにアウトドアの相棒にぴったりです。

そんな経験から、僕のブランド「hibino craft」には、こんな想いも込められています。 それは、「非日常であるキャンプで育んだ愛着を、日々の暮らしにも持ち帰ってほしい」という願いです。

今回は、このブランドコンセプトを形にする、新しい挑戦の第一歩として、手染めヌメ革のメガネケースの試作についてお話したいと思います。

なぜ、メガネケースなのか?hibino craftの原点

僕たちは、朝起きてから夜寝るまで、メガネと共に過ごす時間がとても長いです。 視界をクリアにしてくれる、まさに「生活の必需品」であり、時にはファッションの一部にもなります。

しかし、そのメガネを収納するケースは、どうでしょうか? 市販のものは、プラスチック製で味気なかったり、デザインが画一的だったり…。 単に「メガネを入れるだけ」の道具になってしまいがちです。

僕が目指すのは、単なる機能的な道具ではありません。 手に取るたびに心地よく、机の上に置くだけで絵になるような、使う人の「日々」を彩る特別な存在です。

この想いを形にするため、試作のテーマは「シンプルでありながら、育てる喜びを感じられるケース」に決めました。 「日常の特別なアイテム」の、まさに象徴となる作品です。

手染めが生み出す、唯一無二の表情

これまでも様々な作品に手染めを施してきましたが、今回のメガネケースでは、また新たな挑戦を試みました。 それは、革の特性を最大限に活かし、より繊細で複雑な色合いを表現することです。

今回の試作では、「色の奥行き」に特にこだわりました。 光の当たり方で表情が変わるように、あえて色の濃淡を出し、グラデーションをつけました。この一つとして同じものがない、唯一無二の表情こそが、手染めの醍醐味です。

細部に宿る、クラフトマンシップ

デザインは、究極のシンプルさを追求しました。 無駄な装飾を排し、革そのものの美しさを最大限に引き出す形です。 メガネの形に沿うように、立体的に成形し、しっかりとメガネを保護できるようにしました。

試作の工程は、細部へのこだわりが凝縮されています。

  • 型紙の作成と裁断: 何度も調整を重ね、メガネがぴったりと収まり、かつ出し入れがしやすいサイズ感を追求しました。 革に型紙を置いて、正確に裁断する作業は、この後の工程のすべてを左右する、最も重要なステップです。
  • コバ磨き(革の断面の処理): 革の断面(コバ)は、製品の完成度を大きく左右します。 今回は、紙ヤスリで丁寧に整え、染料で色をつけ、トコノールという仕上げ剤を塗って磨き上げました。 ツヤツヤに磨き上げられたコバは、まるでガラスのように滑らかで美しく、全体の印象をぐっと引き締めてくれます。
  • 手縫い: 今回の試作では、総手縫いにこだわりました。 一針一針、丁寧に縫い進めることで、ミシン縫いにはない、温かみと丈夫さが生まれます。 縫い目の美しさも、このケースの大きな魅力の一つです。
  • 留め具の選定: シンプルなデザインを邪魔しないように、色はアンティークな色のものにしました。手染めの色ともマッチしとても良い仕上がりです。

これらの細かな手作業の積み重ねが、試作品に命を吹き込んでくれました。 想像以上の手触りの良さ、そして重厚感のある仕上がりに、僕自身も満足しています。

完成した試作品と、hibino craftの次のステップ

こうして、ようやく一つの形になったメガネケース。 まだまだ改良の余地はありますが、僕が思い描いた通りの、シンプルで美しい、そして何より愛着の湧くケースが完成しました。

触れるたびにヌメ革の感触が心地よく、手染めならではの色の濃淡が、光の加減で表情を変えます。 これから、このケースが僕のメガネと共に、どんな色に育っていくのかが楽しみでなりません。

この試作品をベースに、より多くの方に手にとってもらえるよう、さらに改善を重ねていきます。 次回の製作では、より効率的な製作方法を考えたり、他の色やデザインのバリエーションも検討していきたいと考えています。

  • 色違いのバリエーション: 使ったことのない他の色など、手染めならではの色の可能性を追求したいです。
  • サイズ調整 もっとシンプルに無駄の無いようフィット感を追求します。

「hibino craft」のアイテムが、単なる道具ではなく、皆さんの日々に小さな喜びと彩りをもたらす存在になってくれたら、これ以上嬉しいことはありません。

最後に

今回の試作を通して、革という素材の奥深さと、手作業で何かを創り出すことの楽しさを改めて感じることができました。

今後も製作の進捗を随時報告していきますので、どうぞお楽しみに!

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